ステランティス(本社:オランダ・アムステルダム)は6月23日、アントニオ・フィローザ氏の最高経営責任者(CEO)就任と、新たな経営陣を発表した。フィローザCEOはこれまで、2021年に南米地域の最高執行責任者(COO)、2023年にジープのCEO、2024年12月に北米・南米両地域のCOO、2025年1月には最高品質責任者(CQO)に就任した。
今後も引き続き、クライスラー、ダッジ、ジープ、ラムといった北米ブランドの責任者も務める。 今回の新CEO就任について、米国ステランティス・ナショナル・ディーラー・カウンシル(ステランティスの自動車を販売するディーラーを代表する団体)のマイケル・ベッテンハウゼン会長は「彼と一緒に仕事ができること、彼が私たちの近くにいてアクセスしやすいことを歓迎する」と述べている(「オートモーティブ・ニュース」6月23日)。
フィローザCEOがデトロイト近郊を拠点とすることは、カルロス・タバレス前CEOが欧州を拠点としていたことと対照的で、今後、同社が北米市場での事業に注力することを示唆しているとの見方もある。
出典: ステランティスの新CEOに、元北米COOのアントニオ・フィローザ氏就任(米国、中南米、欧州)

「ステランティスが破産するって本当?」「また炎上してるけど何があったの?」

最近、SNSや検索サイトでこんな言葉を目にすることが増えていませんか?プジョー、シトロエン、フィアット、ジープなど、多くの人気ブランドを抱える巨大自動車メーカー「ステランティス」。

その名前が今、ネガティブな話題で注目を集めています。

実は、「破産」の噂は、イタリア工場の稼働休止やアメリカでの販売不振といった最近の業績悪化への懸念から来ています。しかし、それ以上に根深いのが「炎上」問題です。特に、「契約した後に、いきなり値上げを要求された」という、信じがたいトラブルが多発し、多くのユーザーが怒りの声を上げています。

さらに、アフターサービスの品質や販売店の対応に対しても「ひどい」という評判が後を絶ちません。

この記事では、なぜステランティスがこれほどまでに炎上しているのか、その核心にある「契約後の値上げ問題」や「ひどい」と評されるサービス品質の具体的な実態を、ユーザーの生の声や報道を基に徹底的に深掘りします。

大手ニュースサイトでは報じられない、問題の根源にある企業体質にまで迫ります。ステランティス車の購入を検討している方、すでにオーナーの方、そして自動車業界の今を知りたいすべての方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

そもそもステランティスとは?「炎上」「破産」の噂が絶えない理由

「ステランティス」という名前、最近よく聞くけど、一体どんな会社なの?と思っている方も多いかもしれませんね。まずは基本からおさらいしましょう!

ステランティスは、2021年にフランスの「PSAグループ(プジョー、シトロエンなど)」とイタリア・アメリカの「FCA(フィアット、クライスラー、ジープなど)」が合併して誕生した、世界第4位の巨大自動車グループです。🚗💨

日本でもおなじみのプジョー、シトロエン、フィアット、ジープ、アルファロメオ、DS、アバルトといった、個性的で魅力的なブランドをたくさん抱えています。

では、なぜこの巨大企業に「破産」なんていう不穏な噂が立っているのでしょうか?

その背景には、最近の厳しい経営状況があります。2025年に入ってから、イタリアの主要工場が生産調整で長期間ストップしたり、最重要市場であるアメリカでの販売台数が前年比で10%以上も落ち込んだり…といった、心配になるニュースが続いているのです。

こうした業績不振の報道が、「もしかして経営がヤバいのでは…?」という憶測を呼び、「破産」という極端なキーワードに繋がってしまっているようです。

そして、もう一つのキーワード「炎上」。こちらは、もっと直接的で、ユーザーの怒りに満ちています。🔥

炎上の最大の火種となったのが、「契約後の値上げ問題」です。車を買う契約を結んだはずなのに、納車直前になって「価格が上がったので追加で数十万円払ってください」と要求される、という信じられないようなトラブルが多発しました。

これには「騙し討ちだ!」「約束が違う!」と、多くの購入者が激怒。SNSを中心に一気に炎上しました。

さらに、アフターサービスの対応の悪さや、度重なる故障など、品質面での不満も多く、「ステランティス ひどい」という声も後を絶ちません。これらの根深い問題が、現在の「炎上」状態を作り出しているのです。

次のセクションでは、この炎上の核心である「契約後の値上げ問題」について、さらに詳しく見ていきましょう。

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【炎上の核心】契約後に値上げ!?消費者を激怒させた悪質手口とは

ステランティス炎上の最大の原因となった「契約後の値上げ問題」。これは一体どのような手口だったのでしょうか?その詳細を知ると、多くのユーザーがなぜ「ひどい」「騙し討ちだ」と怒っているのかがよくわかります。

問題が表面化したのは2022年後半。特にプジョーやシトロエンなどのブランドで、「車を契約し、支払いを済ませた後に、納車直前になって突然数十万円の値上げを告げられる」という事例がSNS上で次々と報告され始めました。

「え、契約した時の値段で決まりじゃないの?」と思いますよね。普通はそうです。しかし、ステランティス側の言い分はこうでした。

「契約書には『契約成立日は自動車の登録日とする』と書いてあります。だから、あなたの車を登録する“今”の車両価格を適用します」

なんと、契約書にある小さな一文を盾に、契約から納車までの数ヶ月間に行われた価格改定(値上げ)分を、消費者に一方的に請求してきたのです。これは、多くの人にとってまさに「寝耳に水」

特に、世界的な半導体不足などで車の納期が大幅に遅れていた時期だったため、契約から納車まで1年以上待つケースも珍しくありませんでした。その間に価格が改定され、忘れた頃に高額な追加料金を請求される…これでは、怒りを通り越して呆れてしまいますよね。😥

このやり方は、法的にグレーゾーンを突いたものかもしれませんが、消費者との信頼関係を根底から覆す、商道徳にもとる行為と言わざるを得ません。多くのメディアで自動車評論家の国沢光宏氏も「アコギな商売」と厳しく批判しています。

さらに問題を複雑にしたのが、販売店の立場です。ディーラーの現場スタッフも、メーカーから一方的に「値上げしたので顧客から追加料金をもらってください」と指示されるだけ。

顧客とメーカーの板挟みになり、対応に苦慮する販売店も少なくありませんでした。中には、顧客とのトラブルを避けるために、ディーラーが値上げ分を自腹で被るケースもあったようです。

このように、顧客の常識や信頼を裏切るようなやり方が、「ステランティスは信頼できない」という深刻なブランドイメージの低下と、大規模な炎上につながってしまったのです。

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「対応がひどい…」品質・サービスへの不満が噴出!ユーザーの悲痛な声

「契約後の値上げ」問題だけでなく、「ステランティス ひどい」というキーワードで検索される背景には、製品の品質や購入後のアフターサービスに対する根強い不満があります。

例えば、アメリカ市場では、ディーラーから悲鳴が上がっています。販売不振で大量の在庫を抱え、「ディーラーの努力だけではどうにもならない」と、ついに販売店の代表が当時のCEOに直談判する事態にまで発展しました。

特に、鳴り物入りで投入されたフィアットのEV『500e』は全く売れず、「アメリカで売れない車ランキング」の常連になるという不名誉な状況です。これでは、購入を検討する人も不安になりますよね。😟

ヨーロッパでも状況は深刻です。フランスで行われたアルファロメオのディーラー調査では、アフターサービスに対する顧客満足度が非常に低いという結果が出ています。

SNSや口コミサイトを見ると、「故障が多いのに、修理の対応が遅い」「ディーラーに持って行っても原因がわからないと言われた」「部品が本国から届かず、何ヶ月も車が返ってこない」といった、ユーザーの悲痛な声が溢れています。

なぜ、これほどまでに対応品質が低下してしまったのでしょうか?

その一因として、ステランティスジャパンの内部事情を指摘する声もあります。転職者向けの口コミサイトなどを見ると、元従業員や現役社員から「業務量が多すぎる」「部門間の連携が悪く、責任のなすりつけ合いが起きている」「業績が悪化すると、上層部が保身に走る」といった内部の不満が漏れ聞こえてきます。

こうした組織内の問題が、結果として顧客へのサービス品質の低下に繋がっている可能性は否定できません。

車は買って終わり、ではありません。その後のメンテナンスや万が一のトラブルの際に、いかに信頼できるサポートを受けられるかが非常に重要です。デザインや性能が魅力的であっても、こうした品質やサービス面での不安が解消されない限り、「ステランティスはひどい」という評判を払拭するのは難しいでしょう。

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顧客も販売店も…なぜ「ステランティス脱退」が起きるのか?

一連の炎上や不満は、ついに「ステランティス脱退」という深刻な事態を引き起こしています。この「脱退」には、2つの意味が込められています。ひとつは顧客離れ、そしてもうひとつは販売店の離反です。

まず、顧客離れは深刻です。あれだけ「騙し討ち」のような値上げをされれば、「もう二度とこのメーカーの車は買わない!」と思うのは当然のこと。実際に、SNS上では「次の車は国産車にする」「ドイツ車に乗り換える」といった声が多く見られます。

一度失った信頼を取り戻すのは、並大抵のことではありません。

この顧客離れは、販売実績にもはっきりと表れています。特に、会社の利益の大きな柱である北米市場での不振は深刻で、2025年第2四半期の販売台数は前年同期比で11.5%も減少しました。

ピックアップトラックの「ラム」や人気SUVの「ジープ」といった主力ブランドまでが販売を落としており、市場シェアも低下の一途をたどっています。

そして、もうひとつの「脱退」が、販売店の離反です。顧客からのクレームの矢面に立たされ、メーカーからは一方的な指示が来る。利益も上がらず、ブランドイメージも悪化する…そんな状況で「もうステランティスの看板で商売を続けるのは無理だ」と考えるディーラー経営者が出てきても不思議ではありません。

実際に、アメリカでは経営難に陥るディーラーが続出しています。

こうした苦しい状況に対応するため、ステランティス本社もリストラに踏み切らざるを得なくなっています。イタリアの工場では長期の生産休止に加えて希望退職者を募集し、アメリカでも約400人の人員削減を行うなど、厳しいコストカットを進めています。

日本でも、販売網の再編を目的とした子会社の株式売却などが行われており、事業体制そのものを見直す動きが加速しています。

顧客が離れ、販売店が疲弊し、会社はリストラを進める…。この負のスパイラルから抜け出せない限り、「ステランティス脱退」の流れを食い止めることは難しいでしょう。まさに、企業として正念場を迎えていると言えます。🚧

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炎上から学ぶ、ステランティスが信頼を取り戻すための3つの課題

ここまで、ステランティスが抱える深刻な問題点を見てきました。では、この炎上状態から抜け出し、失った信頼を取り戻すために、彼らは何をすべきなのでしょうか?最後に、今後の課題と再生への道を考えてみましょう。✨

1. 徹底した品質改善と顧客目線のコミュニケーション

まず何よりも急務なのが、信頼回復です。そのために、2025年7月に就任したアントニオ・フィローザ新CEOの手腕に期待がかかります。彼は「最高品質責任者(CQO)」を兼任しており、これは品質問題を最重要課題として捉えている証拠と言えるでしょう。

北米市場の立て直しと共に、「安かろう悪かろう」ではなく、価格に見合った品質とサービスを提供するという、当たり前の原点に立ち返ることが求められます。

そして、「契約後の値上げ」のような不誠実な対応は二度と繰り返してはなりません。顧客への情報提供の透明性を高め、一方的な約款解釈ではなく、常に顧客の立場に立った誠実なコミュニケーションを徹底することが不可欠です。

ステランティスジャパンの公式サイトでもアフターサービスの強化を謳っていますが、それが現場の隅々まで浸透しているかが問われます。

2. 市場に合った電動化戦略の見直し

ステランティスは「2030年までに欧州での販売を100%EVにする」という壮大な目標を掲げていますが、足元ではEV販売の伸び悩みに苦しんでいます。そこで最近では、ジープ『レネゲード』にマイルドハイブリッドモデルを追加するなど、現実的な路線への修正も見られます。

今後は、EV一辺倒ではなく、ハイブリッドやプラグインハイブリッドも含めた、各市場のニーズに合った多様な電動化戦略を進めていくことが成功のカギとなりそうです。

また、中国の電池大手CATLと提携し、充電ではなく「バッテリーを丸ごと交換する」という新しい技術の実証実験を始めるなど、EVの弱点を克服しようという面白い試みも始まっています。

こうした革新的な取り組みが、ブランドイメージを再浮上させるきっかけになるかもしれません。

3. ブランドの魅力を再定義し、ファンを育てる

ステランティスには、アルファロメオの情熱的なデザイン、ジープの圧倒的な悪路走破性、シトロエンの独創的な乗り心地など、他にはない強力なブランドがたくさんあります。

しかし、目先の利益や効率を追求するあまり、それぞれのブランドが持つ本来の魅力が薄れてしまっているのではないでしょうか。

もう一度、各ブランドの個性を磨き上げ、その価値を正しくユーザーに伝える努力が必要です。そして、購入後も安心して乗り続けられる万全のサポート体制を築くことで、離れてしまったファンを呼び戻し、新たなファンを育てていく。

地道ですが、それこそが巨大自動車メーカー、ステランティスの再生への唯一の道と言えるでしょう。

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まとめ:ステランティス炎上問題と今後の展望

今回は、巨大自動車メーカー「ステランティス」がなぜ「炎上」し、「破産」とまで噂されるようになったのか、その背景を深掘りしました。

記事のポイントをまとめると以下のようになります。

  • 「破産」の噂: 直接的な経営破綻の危機というよりは、イタリア工場の稼働休止や北米での販売不振といった、最近の業績悪化に対する懸念が広まったもの。
  • 「炎上」の核心: 最大の原因は、「契約後の値上げ」という消費者心理を無視した不誠実な販売手法にあります。これにより多くのユーザーが激怒し、ブランドへの信頼が大きく損なわれました。
  • 「ひどい」評判の正体: 値上げ問題に加え、製品の品質問題や故障時の対応、アフターサービスの質の低さに対する不満が蓄積しており、これが「対応がひどい」という評価に繋がっています。
  • 「脱退」の加速: これらの問題の結果、顧客がステランティス車から離れる「顧客離れ」と、経営難や不信感から販売店が看板を下ろす「ディーラー離反」という、深刻な事態を招いています。

まさに四面楚歌とも言える厳しい状況ですが、希望の光がないわけではありません。品質改善を掲げる新CEOの就任や、ハイブリッドモデルの投入、バッテリー交換技術といった新しい挑戦など、再生に向けた動きも始まっています。

しかし、一度失った信頼を取り戻す道は決して平坦ではありません。何よりも大切なのは、過去の過ちを真摯に反省し、徹底して顧客と向き合う姿勢です。小手先のマーケティングやその場しのぎの対応ではなく、誠実なコミュニケーションと、購入後も安心して乗り続けられる盤石なサービス体制を再構築すること。

それこそが、ステランティスが再び多くのドライバーから愛されるブランドへと返り咲くための唯一の道ではないでしょうか。今後の動向を、厳しい目で見守っていく必要がありそうです。