SNSで話題の参政党、支持する前に知っておきたい実情

参院選が近くなり、 X (旧Twitter) で 参政党関連のポストがよく流れてくる。ショート動画で「おっ、ちょっと良いこと言うな」と感じる演説も流れてきて、気になっている。

今回は、SNSで話題の参政党について、このブログで 9割くらいAI に任せて記事を量産している怠惰な中の人が、たまには深く調べて自分の思いも込めて記事を書いてみる実験回だ。

結論から言うと、賛同できる主張もある一方で、 "嘘やデマがあまりにも多く、現時点では支持できない" というのが正直な感想だ。以下、調べた内容と気づきを簡潔に共有する。

参政党が支持される理由。有権者の心をつかむ公約

まず、参政党や支持者が良い点として挙げる代表的な政策やスローガンをまとめる。

支持されるポイント具体的な公約・提案ざっくり魅力ポイント
子育て教育給付金0〜15歳に月10万円の現金給付子どもへの直接投資で分かりやすい
食の安全徹底遺伝子組換え・添加物"全表示"義務化家族の健康を守るイメージ
教育改革歴史の多角化 & プログラミング必修化古い教育への不満に響く
スパイ防止法制定国家機密漏洩を厳罰化する新法を提案「国を守る」と保守層にアピール
積極財政国の借金を増やしてでも、賃上げや経済成長を目指す「緊縮財政はダメ」と景気刺激を訴える
水・種子・食料の国防種子法復活・水資源売却規制・添加物規制強化「日本の食と水を守る」愛国心に訴える

※公約は参政党公式サイトで確認できます。

これらの政策は、他の政党にはない新しい視点や、人々の不安に寄り添う姿勢が評価され、支持を広げている。

また、保守層の受け皿だった自民党がリベラル寄りの政策に転じたことへの不満も、参政党への期待につながっている。

だが、良い政策も台無しにする"数々の問題点"

魅力的な公約の裏には、見過ごせない問題発言や行動が多数報告されている。これは党幹部や関係者からも指摘されている。

  • 科学的根拠を無視した陰謀論ワクチン: 党幹部が「mRNAワクチンはDNAを書き換える」と主張(医学的に誤り)。食の安全: 添加物の危険を過度に強調し、国際基準を示さず不安を煽る。「メロンパンは危険」など、科学的根拠のない話も広めている。世界観: Q&Aブックに「国際金融資本に支配される日本」といった陰謀論的な記述がある(毎日新聞)。
  • 歴史認識の誤り神谷宗幣代表が「アジアに日本以外の国はなかった」と発言。日本の侵略の歴史を否定するような姿勢は、国内外から強い批判を受けている。
  • 極端な憲法改正案国民の権利を弱める可能性のある「新日本国憲法案」を提案。現在の憲法の基本原則(国民主権、基本的人権の尊重、平和主義)を大きく変える内容で、多くの専門家が懸念を示している。
  • 組織運営の不透明さ2023年には、神谷代表の元秘書が自殺。遺族はパワハラがあったと党を告発しており、組織としての問題が問われている。(出典:文春オンライン)

これらの問題は、党の「日本のための政治」という主張に疑問を投げかける。過去の誤りを認めず、謝罪もしない姿勢は、信頼できない。

それでもなぜ支持者が増えているのか? その理由を考えた

結論:「SNS × 政治不信 × シンプルな言葉」の3点セットが現代に刺さっている。

  1. SNSアルゴリズムとの相性街頭演説を切り抜いた30秒動画が TikTok で拡散 → X で再シェア → YouTube Shorts へ波及。短尺 × 強い言葉 × 対立構図 はバズりやすい王道パターン。
  2. 現状不満層の受け皿自民党への倦怠感、立憲・維新への不信──「どこにも期待できない」層が"新顔"に飛びつきやすい。
  3. "政治初心者向け"に最適化された語り口中学レベルの語彙とスローガン的表現で「何となく分かった気になる」。政治初心者・初選挙層 にも刺さりやすい(2025年6月 朝日新聞調査で、18–24歳の26%が「SNSで知った参政党に好感」)。

ひろゆきのこの切り抜き動画もとても同意できる

最も厄介な「正論に混ぜられたデマ」という構造

全てトンデモなら警戒しやすいが、"正論の中に誤情報" が混ざると見抜きが難しい。

  • 安全保障系の強い訴求スパイ防止法の制定 や 外国人土地買収規制 は現実味があり、保守層の不安を直撃 → 拡散力◎。
  • しかし、根拠の薄い主張もセットで語られるGMO・ワクチン・5G など科学トピックで"恐怖を煽る" → 専門家が訂正しても届きにくい。
  • アルゴリズム増幅ループ強い言葉 ⇒ エンゲージメント増加 ⇒ さらなる露出 ⇒ 新規支持者獲得…という"自己増幅サイクル"。

そして、参政党を批判する者に対して「陰謀論者」「工作員」といったレッテルを貼り、議論を封じようとする過激な支持者の存在も指摘されている。これは、党への批判を一切許さないカルト的な傾向と見なされ、健全な民主主義的議論を阻害する要因となっている。

「じゃあ、どこに投票すれば?」という問いへのヒント

「自民はだらしない」「立憲も信用できない」──分かる。とはいえ投票放棄は現状肯定なので最悪手。

ボートマッチで"近い政党"を機械的に探す

サービスURL何が分かる?
選挙ドットコム VoteMatchhttps://go2senkyo.com/votematch20問の政策クイズで一致度を算出
毎日新聞 ボートマッチhttps://mainichi.jp/votematch/各党・候補者との一致率+重要度重み付け
NHK 選挙WEBhttps://www.nhk.or.jp/senkyo/争点ごとに各党の賛否を一覧確認

使い方は超簡単:質問に直感で答える→一致率トップ3をチェック→気になる党の公式公約PDFを読む──これだけ。

支持できないところの支持率を下げると考えて、一番マシに思えるところに一票を入れよう。 「最悪を避ける一票」でもいいので、まずは投票行動に変えよう。

まとめ:熱狂する前に、まずは立ち止まって考えよう

参政党は確かに勢いがあるし、時々刺さる主張もある。 でもそれは、正しいということではない。

  • 良い点は認めつつ、出典不明情報は疑う
  • ボートマッチなど客観ツールで複数政党を比較する
  • 投票放棄より"ベターな一票"を選ぶ方がマシ

この記事が、SNSで流れてきた、感情を動かすような動画をそのまま信じる前に 「本当かな?」 とひと呼吸置くきっかけになれば幸いだ。